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コスメの真実 化粧品全般

化粧品成分の真実!配合率の衝撃事実を現役の化粧品開発者が解説!

※本記事は2024年に再編集しています

化粧品のパッケージに謳われる「○○エキス配合」の文字。消費者としては、これらの成分が豊富に含まれていると思いがちですが、実際の配合量はどの程度なのでしょうか?

本記事では、化粧品開発者の視点から、ヒアルロン酸やコラーゲン、植物エキスなどの訴求成分の配合実態に迫ります。驚くべきは、これらの成分が想像以上に少ない量で配合されている事実。しかし、その理由には、化粧品の安全性と効果のバランスを最適化するための深い配慮があります。

 

この記事を通じて、化粧品成分の配合量に関する真実と、それが私たちの肌にどのように作用するかの理解を深めましょう。

本記事の内容

  • 化粧品に配合される成分の配合量の真実を、現役の化粧品開発者が解説

 

この記事を書いている人

コスメデイン

  • 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
  • 今も現役の化粧品開発者
  • 美容雑誌の監修経験あり
  • 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!

美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)

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成分の配合量について

化粧品・成分の配合量

商品周りや商品のホームページなどで「○○成分配合」と謳っている成分のことを『訴求成分』と言います。

先ほどのヒアルロン酸やコラーゲンは、商品やホームページで「配合している」と、必ずと言っていいほど謳っていますから、『訴求成分』です。

一方、水やBGは化粧品に必須成分ですが、「配合している」と謳うことはありませんので、訴求成分ではありません。

で、結論ですが、ヒアルロン酸やコラーゲン、エキス類などの訴求成分、
皆様のお考えのようなたくさんの量は配合していません!

むしろ、皆様の想像以上に配合量は少ないです!!

植物エキスは、植物の実や葉、茎から抽出しますので、化粧品では『抽出液』を配合します。この抽出液はエキスと抽出に用いた液体(溶媒)から成ります。

大体、割合的には、『エキス 1~5%』『溶媒 95~99%』です。

『シャクヤクエキス』を例にとりましょう。

シャクヤクエキスは、美白成分として有名な植物エキスです。化粧品に配合する際は、シャクヤクエキスそのものを配合するのではなく、『約1~5%のシャクヤクエキス抽出液』を配合します。

その配合量は、実は『1%以下』なんです!

よく考えてください。

シャクヤクエキスそのものを1%以下ではなく、1~5%のシャクヤクエキス抽出液を1%以下です。

シャクヤクエキス、そのものは、かなり低い配合量だとお分かりになると思います。

シャクヤクエキスを例にとりましたが、ほぼ全てのエキスについて、同じことが言えますし、ヒアルロン酸、コラーゲンの配合量に関しても同じです。

『訴求成分の配合量は1%以下』

ですから、ネット上では、『植物エキスは無視した方が良い(低配合量のため)』とおっしゃる方もいますが、それは違います。

化粧品の訴求成分が低配合量であることは事実ですが、それには理由があって、そのためにメーカーはしっかり考えて対応しています。

ちなみに、医薬部外品の場合は少し違います。

有効成分の場合、配合量が決められています。配合量を守らない限り、国から、その物質を有効成分とした医薬部外品としての発売が認められていません。

例をあげると、『アルブチン』は美白の有効成分で、医薬部外品に配合する場合、『3%』と決められています。

『アスコルビン酸2グルコシド』も美白の有効成分で(ビタミンC誘導体)、その配合量は『2%』です。

ですから、これら有効成分の医薬部外品は、上記に示す量が配合されていますから、決して少ない配合量ではありません。

化粧品と医薬部外品では成分の配合量に対する考え方が大きく違います。

 

何故、訴求成分の配合量は1%以下なのか?

化粧品に一番大切なこと。

それは、効果?感触?価格?デザイン?・・・すべて違います。

化粧品に一番大切なことは『安全性』です。

化粧品や医薬部外品は医薬品と違います。医薬品には効果の代償として、一定レベルの副作用が認められていますが、化粧品や医薬部外品には一切の副作用は認められていません。

美白の医薬部外品で『白斑』の問題がありましたが、あんなことは絶対にあってはならないのです。

よく、化粧品は効果が現れるのに時間がかかると言われますが、それは当然です。

化粧品は『安全に使い続けて頂くこと』が大前提ですから、効果が現れるのに、1ヶ月~3ヶ月はかかります。

ですが、使い続けて頂ければ、必ず効果はでます。

メーカーとしても効果をすぐに出して、ユーザーに自社の商品をリピートしてもらいたいですから、訴求成分をたくさん配合したいのです。

ですが、訴求成分は、お肌にとって何かしらの効果がある成分ですから、1%以上配合して高効果を得る代わりに、お肌に刺激を与え、重篤な肌トラブルを引き起こすなどの『安全性』に課題が出ます。

効果のために安全性を犠牲にすることはあってはなりません。

ですから、高配合したくても、ユーザーに安全に使って頂くことを一番に考え、1%以下の配合量となってしまうのです。
(エキス類を1%以上も配合すると、何かしらの肌トラブルが生じる可能性大です)

ただし、メーカーは、安全性を一番に考えていることは事実ですが、安全性だけを考えているわけではありません。

その商品のコンセプトの中心となるような訴求成分、つまり、『商品の顔となるような訴求成分』に関しては、十分な効果が得られる『有効濃度』というものを調べます。

そして、安全性を考慮しながら、有効濃度を配合しています。

つまり、「訴求成分の配合量は低い」ことは事実ですが、それは安全性を考慮した結果です。

しかも、訴求成分の配合量は、『安全性と効果』の、一番最適なバランスを検討し、決定しています。

以上が、訴求成分の配合量が1%以下の理由です。

化粧品は医薬品に比べ、効果が現れるのに時間がかかりますが、使い続けて頂ければ、必ず、効果が得られますので、毎日欠かさずお肌のケアを続けてください。

 

おわりに

いかがでしょうか?

化粧品に配合される成分の量について、ユーザーの皆様は、よく誤解を抱きがちです。特に、パッケージや広告に強調される「○○エキス配合」という言葉には、消費者として多くの期待を寄せます。

しかし、この記事を通じて明らかにしたように、訴求成分の配合量は想像以上に少ないことが多いです。この事実に驚きを感じるかもしれませんが、重要なのは、これらの成分が製品にどのような効果をもたらすか、そしてそれがどれだけ安全に利用できるかです。

化粧品開発者として、私たちは製品の効果と安全性のバランスを最適化するために、慎重に成分を選定し、配合量を決定しています。最終的に、化粧品は日々のケアにおいて安全に使用できることが最も重要です。

この記事が、化粧品成分の理解を深め、より賢い選択をするための一助となれば幸いです。

 

※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません

   
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