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コスメの真実 話題の成分

話題の成分(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーの役割は?

化粧品業界は常に進化しており、その背後には革新的な成分の開発があります。

本記事では、特に注目されている「(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー」という成分に焦点を当て、その独特な「形状記憶性」によって、これまでにない新感触のジェルやクリームを実現したことを紹介します。

この成分は、ジェルが元の形状に戻るという驚きの特性を持ち、化粧品のテクスチャーに革命をもたらしました。この記事を通じて、化粧品成分の奥深さと、それがいかに私たちの美容習慣を豊かにしているかを理解することができます。

 

本記事の内容

  • (PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーの役割を、現役の化粧品開発者が詳しく解説

 

この記事を書いている人

コスメデイン

  • 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
  • 今も現役の化粧品開発者
  • 美容雑誌の監修経験あり
  • 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!

美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)

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(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーとは?

赤いジェリー・アスタリフト・フラワーミセル

(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマーは、『増粘剤』です。

『増粘剤』はコスメにとって必須成分です。増粘剤がなければ、安定な『乳液』も、今流行りの『オールインワンジェル』も出来ません。

コスメに一番用いられる増粘剤は、『カルボマー(カルボキシビニルポリマー)』です。カルボマーは『水系』の増粘剤で、乳液やクリーム、オールインワンジェルなどに配合されます。

『(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー』も、カルボマーと同様、『水系の増粘剤』ですが、その特性は全く異なります。

「(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー」の一番の特徴は、『形状記憶性』です。『復元力』とも言います。この増粘剤を配合したクリームやジェルは、形が崩れても、元に戻ります

通常のジェル(クリーム)に指を突っ込むと、『穴』が開きますよね?この穴は元に戻りません。当然ですね。

しかし、「(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー」配合のジェル(クリーム)に指を突っ込むと、当然、『穴』が開きますが、暫くすると、この『穴』が塞がり、指を突っ込む前の状態に戻ります

これが『形状記憶性』『復元力』

これにより、これまでの「カルボマー」では到底実現できなかった、『新感触』のジェル(クリーム)が可能になりました。

私も、初めて穴が塞がる様子を見た時はびっくりし、感動しました。

この成分、「ADEKA」というメーカーから、『アデカノール GT-700 / 730』という原料名で販売されています。

ですから、どの化粧品メーカーでも使うことが出来ます。

この成分が、広くユーザーに認知されたのが、富士フィルムの『アスタリフト』ではないでしょうか。

通称、『赤いジェリー』と言われる、『ジェリー アクアリスタ』に配合されている成分こそ、「(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー」であり、これが無ければ、「赤いジェリー」は誕生していません。

富士フィルムのアスタリフトで、一躍脚光を浴びた「(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー」ですが、もっと前から存在しています。

実は、この成分は、『資生堂』が開発した増粘剤で、『フラワーミセル』と言われています。資生堂は、粘性があるが、はけで壁に塗る時には滑らかに伸び、塗布後は素早く粘性が回復する『水性塗料』をヒントにこの成分を開発しました。

詳細な増粘機構は割愛しますが、これまでにない、新しい増粘機構(フラワーミセル)のため、資生堂は、この成果を『第 23 回 IFSCC(2004年 オーランド大会)』で発表しています。

さすが資生堂ですね。化粧品だけでなく、成分(原料)を開発する技術も素晴らしい。

「カルボマー」は、『中和』して使う増粘剤です。中和タイプゆえ、『電解質存在下』では増粘効果を全く発揮しません。

一方、「(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー」は、『形状記憶性(復元力)』という、全く新しい特徴を持ちながら、中和タイプではないので、電解質存在下でも増粘させ、形状記憶性を持たせることが可能です

ジェル、クリーム剤型の感触に革命をもたらした成分、それが『(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー』です。

 

配合コスメ

「(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー」配合コスメと言えば、やはりアスタリフトの『ジェリー アクアリスタ』です。

富士フィルムが開発した成分ではありませんが、『赤いジェリー』のインパクトは絶大で、松田聖子さんを起用したCMなどの『宣伝戦略』も相まって、「形状記憶=アスタリフト」というイメージを作り上げました。

アスタリフト発売後、資生堂を除く各化粧品メーカーが、相次いでこの成分を配合した『形状記憶ジェル』を発売したことからも、富士フィルムの戦略は見事です。

▼ ジェリー アクアリスタ

 

是非、「(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー」の、驚きの『形状記憶性』『復元力』をお楽しみください。

 

※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません

   
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