オイルクレンジングの効果を左右するのは、実はオイルそのものではありません!界面活性剤です!!
私は現役の化粧品開発者です。
大手化粧品メーカーを含め、20年以上のキャリアがあり、有名美容雑誌の監修も多数手がけています。
本物のプロであり、化粧品開発のプロフェッショナルです。
この記事ではそんな私が、オイルクレンジングにおける界面活性剤の役割と、クレンジング力、洗い上がり、肌への優しさにおける重要性を詳しく解説します!
本記事の内容
- オイルクレンジングの品質を左右するのは界面活性剤である事実を、化粧品開発者が詳しく解説
この記事を書いている人
コスメデイン
- 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
- 今も現役の化粧品開発者
- 美容雑誌の監修経験あり
- 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!
美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)
オイルクレンジングのカギとなる成分は「オイル」ではない!
「オイルクレンジング」というくらいですから、クレンジング力や洗い上がりなどの品質を決定づけるキー成分(カギ)は、油(オイル)だと思ってる方が多いと思います。
実際、オイルクレンジングの宣伝を見ると、オイルを訴求している商品が多いですね。
「オリーブスクワラン配合」とか「マカダミアナッツ油配合」とか「オーガニックオイル配合」とか、オイルの天然性(自然性・植物性)を訴求する商品が多いのが実情です。
しかし、オイルクレンジングにとって、確かにオイルは重要成分ではありますが、キー成分(カギ)ではありません!
その理由を、オイルクレンジングで重視される、「クレンジング力」・「洗い上がり」・「肌への優しさ」の機能に照らし合わせて、詳しくご説明します。
クレンジング力に「オイル」は関係ない!
オイルクレンジングのクレンジング力に、「オイル」は関係ありません!
「関係ない」とはちょっと言い過ぎかもしれませんが、「皆さまが思っているよりも、メーカーが宣伝するよりも関係ない」と言った方が正しいです。
オイルクレンジングには、ミネラルオイルなどの鉱物油、エチルヘキサン酸セチルなどの合成油、ホホバ種子油やマカダミアナッツ油配合などの植物油が配合されます。
ただ、オイルクレンジングのクレンジング力を議論する際は、上記のような分け方は適切ではありません。
一般的に「植物油」は、トリグリセリドと言われるものが多く、これらは極性油に分けられます。
そして、ミネラルオイルなどの鉱物油は無極性油、エチルヘキサン酸セチルなどの合成油は植物油同様極性油ですから、オイルクレンジングのクレンジング力を議論する際は、無極性油(鉱物油)と極性油(合成油、植物油)に分けて考えるべきでしょう。
なぜなら、メイク汚れは極性を持っているため、極性油の方がクレンジング力が優れるからです。
昔のオイルクレンジングは、主にミネラルオイルなどの無極性油(鉱物油)を配合していましたが、これは、クレンジング力に優れるからではなく、コストが安いからです。
「極性油」は「無極性油」に比べコストが高いですから、コスト重視であれば無極性油、品質重視(クレンジング力)であれば極性油となります。
ただし、確かに「極性油」は「無極性油」に比べ、メイク汚れとの馴染みがよく、クレンジング力に優れますが、圧倒的という訳ではありません。
メイク汚れは極性を持っている以前に、油汚れですから、油である「無極性油」でも十分落ちます。
また、そもそもオイルクレンジングでは80%以上がオイルですから、仮に、「無極性油」のクレンジング力が不十分であっても、これだけの多量配合ですから、実使用で不便に感じる程、クレンジング力が劣るということはあり得ません。
これが仮に、クリームタイプやミルクタイプのクレンジングであれば、オイルの配合量がオイルタイプに比べ圧倒的に少ないですから、「極性油」か「無極性油」かで、クレンジング力は大きく変わるでしょう。
しかし、オイルが大部分を占めるオイルクレンジングにおいて、「無極性油」であろうが「極性油」であろうが(鉱物油であろうが、合成油・植物油であろうが)、クレンジング力に大きな差はありません。
洗い上がりに「オイル」は関係ない!
鉱物油であろうが、合成油であろうが、植物油であろうが、洗い上がりの良さ悪さに関係はありません。
オイルである以上、洗い上がりは悪いです。
しかし現在のオイルクレンジングは、洗い上がりが大幅に改善されています。
この、洗い上がりを改善させている成分こそ、オイルクレンジングのキー成分(カギ)であり、詳細は後ほどご説明します。
肌への優しさに「オイル」は関係ない!
特に、植物油を配合しているオイルクレンジングに、肌への優しさを訴求する商品が多いですが、鉱物油であろうが、合成油であろうが、植物油であろうが、肌への優しさに違いはありません。
植物油配合のオイルクレンジングでは、「うるおいを肌に残す」という表現とともに、肌への優しさを訴える商品が多いですが、一度考えてみてください。
「メイク汚れを落として、うるおいだけを残す」、こんな都合のいいことが起こると思いますか?
「リピジュア」のように、肌に留まってうるおいを与える保湿成分は存在しますが、オイルクレンジングに配合の植物油にそんな効果はありませんし、期待できません。
メーカーの、都合のいい宣伝に踊らされているだけです。
もし、「メイク汚れを落としてうるおいだけを残す」のであれば、高度な技術が必要不可欠であり、「植物油を配合する」といった単純なことで達成できるはずありません。
ホホバ種子油やマカダミアナッツ油などの植物油を配合しただけで、うるおいを宣伝するオイルクレンジングには要注意です。
エビデンスも何もない、ただのイメージ商品の可能性が高いです。
以上のように、皆さまが思っている以上に、メーカーの宣伝以上に、クレンジング力に「オイル」は関係ありません。
また、洗い上がりの良さ悪さにも、肌への優しさにも「オイル」は関係ないのです。
ですから、オイルクレンジングの、「クレンジング力」・「洗い上がり」・「肌への優しさ」などの品質を決定づけるキー成分(カギ)はオイルではありません。
オイルクレンジングのカギとなる成分は?
オイルクレンジングの品質を決定づけるキー成分(カギ)は何でしょうか?
正解は界面活性剤です!
オイルクレンジングの品質を決定づけるキー成分(カギ)は、「オイル」ではなく、界面活性剤です。
このブログでも再三申し上げていますが、クレンジングに配合される、メイク汚れを落とす成分は、油(オイル)と界面活性剤です。
オイルメインが「オイルタイプ」、界面活性剤メインが「ジェルタイプ(リキッドタイプ)」、オイル・界面活性剤の双方が「クリームタイプ」といったように、タイプに合わせて、オイル・界面活性剤の寄与率は異なります。
オイルクレンジングは、オイルでメイク汚れを落としますが、界面活性剤の力も借りています。
そもそも、「汚れを落とす」という点においては、オイルよりも界面活性剤の方が優れます。
しかし、安全性(肌刺激性)から、「界面活性剤」はコスメに多量配合出来ません。
例えば、「ウォータープルーフマスカラを落とすためにクレンジング力が必要」という時、オイルの検討をしても先ほどご説明したように、劇的にクレンジング力が向上する訳ではありませんから、製剤化検討では、界面活性剤の配合検討を実施します。
「安定性」・「安全性」に配慮しながら、オイルのクレンジング力を補うために界面活性剤の力を借りるのです。
そして、オイルクレンジングにおいて、界面活性剤の一番の真価が問われるのが、洗い上がりの良さ悪さです。
先程、「最近のオイルクレンジングは洗い上がりが改善されている」と述べましたが、これは界面活性剤技術のおかげです。
オイルクレンジングの洗い上がりを改善させるには、塗布後、メイク汚れと馴染んだオイルを、すすぎの水で乳化させる必要があります。
綺麗に乳化させることで、すすぎ後、肌上にオイルやメイク汚れが残らず、一昔前のオイルクレンジング特有のヌメヌメ感がなくなります。
すすぎの水で綺麗に乳化させる(洗い上がりの改善)には、親水性の界面活性剤が必要不可欠であり、技術レベルが高いオイルクレンジングには、必ずと言っていいほど、洗い上がり改善のための親水性の界面活性剤が配合されています。
以上のように、「クレンジング力」においても、「洗い上がり」においても、界面活性剤の役割は絶大です。
さらに、今のオイルクレンジングには濡れた手でも使えるという機能が備わっているモノが多いですが、「濡れた手でも使えるオイルクレンジング」のためにも、界面活性剤が必要不可欠です。
界面活性剤による可溶化によって、「濡れた手でも使えるオイルクレンジング」が可能になります。
このように、オイルクレンジングの品質を決定づけるキー成分(カギ)は、オイルではなく界面活性剤なのです!
おわりに
いかがでしょうか?
オイルクレンジングの選択に際して、多くの方がオイルの種類や天然成分に注目しがちですが、本記事を通じて、クレンジング力や洗い上がりの良さ、肌への優しさを本質的に左右するのは、実はオイルそのものではなく、配合されている界面活性剤であることをご理解いただけたかと思います。
この知識をもって、皆様が今後オイルクレンジングを選ぶ際には、単にオイルの種類に惑わされることなく、成分表示をより詳細に見て、製品選びの一助としていただければ幸いです。
美しい肌を保つために、正しい製品選びが何よりも重要です。
オイルクレンジングの名品と言えば、アテニア スキンクリアです。
見事な界面活性剤配合技術を搭載しているので、是非、体験してみて下さい!
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