美白化粧品の世界に新たな革命が起こりました。
ポーラから発売された新しい美白有効成分「PCE-DP(ピース ディーピー)」は、約10年ぶりの承認を受けた注目の成分です。
しかし、この新成分は本当に効果的なのでしょうか?
そこでこの記事では、大手化粧品メーカーで15年以上、今も現役の化粧品開発者として活躍し、さらに大手美容雑誌の監修経験も豊富なプロフェッショナルの私が、PCE-DPの効果とそのメカニズムを詳しく解説し、美白コスメ選びにおける新たな選択肢としての可能性を探ります!
本記事の内容
- 新規美白有効成分「PCE-DP」の効果を、現役の化粧品開発者が解説
この記事を書いている人
コスメデイン
- 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
- 今も現役の化粧品開発者
- 美容雑誌の監修経験あり
- 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!
美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)
新規美白有効成分「PCE-DP」
PCE-DPはポーラが国から承認を得た美白の有効成分です。
正式名称はデクスパンテノールWと言います。
有効成分と言うのは、国が特定の効果を認めた成分のことで、化粧品よりも効果が期待できる医薬部外品の場合、この有効成分を効果が期待できる量、配合しなければなりません。
美白の有効成分は他にも、「アルブチン」「トラネキサム酸」「アスコルビン酸2グルコシド」「プラセンタエキス」などがありますが、これらは、これまでも医薬部外品の有効成分として用いられてきた既存成分で、今回ポーラが開発した「PCE-DP」は、新規成分になります。
ポーラにはルシノール(4-n-ブチルレゾルシン)というオリジナル美白有効成分がありましたが、ルシノールは既に特許が切れているため、オリジナル性が失われています。
ですから、ルシノールの特許切れによる排他性の喪失を見据え、かなり前から、新規美白有効成分の開発を行っていたと推測できます。
実際リリースでは、10年の歳月をかけて開発とあるように、膨大な時間とコストをかけて開発された成分が「PCE-DP」です。
PCE-DPの効果は?
「PCE-DP」は美白の有効成分ですから、メラニンの蓄積を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ効果が期待出来ます。
しかしそのメカニズムは、従来の美白有効成分とは大きく異なります。
従来の美白メカニズムは、「チロシナーゼ活性抑制」「メラノサイトへのシグナル遮断」「メラノサイトの拡散抑制」が一般的です。
詳細は、以下記事をご覧ください。
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ポーラが開発した新規美白有効成分「PCE-DP」の美白メカニズムは従来とは異なり、表皮細胞のエネルギー産生を増やす事で、ターンオーバーを促進し(メラニンを抱えた細胞が自然に剥がれる)、シミの元であるメラニンが蓄積しにくい肌に導きます。
これをポーラではエネルギー美白と呼んでいます。
ポーラの研究によると、「PCE-DP」は表皮細胞において、エネルギー物質を作り出す反応経路のひとつであるクエン酸回路を 活性化させることが分かりました。
クエン酸回路は、一度の反応で多くのエネルギー物質を生み出すこと ができますが、表皮ではあまり活用されていません。
この、休眠しているクエン酸回路を活性化させることが、美白への第一歩です。
「PCE-DP」によって、表皮細胞内で十分なエネルギーが作られた肌は、メラノサイトにメラニン引き渡しを促す伝達物質の産生が沈静する事、そして、表皮細胞自体のメラニンの取り込みが沈静する事が分かりました。
これによって、表皮細胞に含まれるメラニン量(シミの元)が減少していくと考えられます。
さらに、クエン酸回路を活性化させる事で、表皮細胞の増殖が活発になります。
結果、表皮の生まれ変わり(ターンオーバー)が促進され、シミの元であるメラニンを抱えた細胞が自然に剥がれやすくなります。
このように、ポーラの新規美白有効成分「PCE-DP」は、表皮の状態を総合的に改善することで、メラニンの蓄積を抑え、シミ・ソバカスを防ぎます。
引用:https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0508261_01.pdf
PCE-DPはおすすめか?
美白領域では、皆様の記憶にも新しいカネボウ白斑問題がありました。
この影響によって、一時、各化粧品メーカーは積極的な新成分開発をやめましたし、国の基準も厳格化されました。
ポーラは2017年、日本初のしわの有効成分を開発し、しわ改善コスメ(医薬部外品)を発売しました。
しわの場合、これまで、しわ改善の有効成分は一切存在せず、まさにユーザーが待ち望んでいた成分でしたから、ポーラの功績は大変素晴らしいと思います。
ただし美白の場合、既に有効成分はたくさん存在しています。
これらは、古くから美白の有効成分として用いられていますから、安全性も担保されていると考えてよいでしょう。
ですから、いくら美白メカニズムが従来とは異なっているとはいっても、今、ユーザーが新規美白有効成分を望んでいるのか?、というのは疑問です。
しかも、「PCE-DP」の効果が他の美白有効成分と比べて格段に優れているのならまだしも、美白有効成分同士の効果の差は、公には出来ないのが実情です。
医薬部外品の場合、医薬品と異なりますから、効果を求めたとしても安全である事が大前提です。
言い換えれば、ある程度の効果を犠牲にして安全に使えることを優先するのが医薬部外品とも言えます。
ですから、いくら国が効果を認めた有効成分を配合した医薬部外品であっても、一定の効果を得るためには、少なくとも3ヶ月は使わなければなりません。
ただし、3ヶ月使っても満足のいく効果を得られていないユーザーはたくさんいると思います。
そんな方には、今回のポーラ美白有効成分「PCE-DP」は大変おすすめです!
3ヶ月以上使い続けても満足のいく効果が得られていない場合は、ご自身がお使いの美白有効成分のメカニズムが、ご自身にあっていない可能性があります。
そんな時は、思い切ってコスメを変える、今お使いのモノとは美白メカニズムが異なる美白有効成分のコスメに変えることは、非常に効果的。
「PCE-DP」は、これまでの美白有効成分とはメカニズムが異なりますから、従来のメカニズムではなかなか効果が得られなかった方にとっては救世主になるかもしれません。
おわりに
いかがでしょうか?
美白化粧品の世界に新たな風をもたらすポーラの「PCE-DP」は、従来の美白成分とは一線を画す革新的なメカニズムを持ちます。
この記事を通じて、その独自の効果とメカニズムを理解し、美白ケアにおける新しい選択肢を提供できたことを願っています。
美白を目指す皆さんにとって、PCE-DPは新しい可能性を開くかもしれません。
美白ケアの進化は止まらず、今後も新しい成分や技術が登場することでしょう。
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません