- ハトムギ化粧水ってどうしてこんなに安いの?
- この安さには何か秘密があるの?
この記事で分かること
- ハトムギ化粧水の安さの秘密
ハトムギ化粧水はなぜ安い?
安さには秘密がある?
このような疑問を持っている方は多いと思います。
そこでこの記事では、ハトムギ化粧水が他の製品と比べてなぜ安いのか、その秘密を、大手化粧品メーカーで15年以上、今も現役の化粧品開発者として活躍し、さらに大手美容雑誌の監修経験も豊富なプロフェッショナルの私が、詳しく解説します。
この秘密は、現役で化粧品開発に携わる人間しか知らないことです。
必読です!
この記事を書いている人
コスメデイン
- 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
- 今も現役の化粧品開発者
- 美容雑誌の監修経験あり
- 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!
美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)
【結論】ハトムギ化粧水値段の秘密!なぜ安い?
代表的なハトムギ化粧水の価格を表にまとめてみました。
ナチュリエ | 麗白 | プラチナ レーベル |
ドンキ | |
容量 | 500mL | 1000mL | 1000mL | 1000mL |
価格 | 627円 | 598円 | 619円 | 500円 |
1mLあたり | 1.254円 | 0.598円 | 0.619円 | 0.5円 |
500mL~1000mLで500円~600円!
大容量&低価格で、ユーザーにはうれしいですね。
これだけ安くできるには、4つの秘密(企業努力)があります。
それが以下。
ハトムギ化粧水 低価格の秘密
- シンプル処方
- 製造コストの低減
- シンプル容器
- 流通経路の効率化
次項から、それぞれの項目について詳しく解説します。
ハトムギ化粧水安さの秘密:シンプル処方
私が最もおすすめするハトムギ化粧水がオルビス クリアフルローションですが、正直、この商品は化粧水としてはものすごく優秀ではあるものの、ハトムギ化粧水であるという認識はあまり持たれていないようです。
やはりハトムギ化粧水というと、冒頭で挙げたように、大容量&低価格のナチュリエ・麗白・プラチナレーベル・ドンキが有名なので、ここでは、オルビス クリアフルローションと、これら有名なハトムギ化粧水の全成分を比較してみましょう。
大容量&低価格のハトムギ化粧水たちが、いかにシンプル処方であるかがお分かりになるはずです。
ハトムギ化粧水 全成分表示と処方構成
オルビス クリアフルローション
【有効成分】グリチルリチン酸ジカリウム
【その他の成分】水、1,3-ブチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シコニン、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、天然ビタミンE、ユズセラミド、イノシット、フィチン酸液、スフィンゴ糖脂質、ヨクイニンエキス、アロエエキス(2)、ヨモギエキス、水溶性コラーゲン液、レモングラス抽出液、ヒメフウロエキス、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル液、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、アマチャヅルエキス、イソステアリン酸、1,2-ペンタンジオール、濃グリセリン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、フェノキシエタノール、パラオキシ安息香酸メチル
オルビス クリアフルローションは医薬部外品です。
ハトムギエキスというのは化粧品の時の全成分名称で、医薬部外品の時は、ヨクイニンエキスの表示になります。
ヨクイニンエキスと表示されていることがよくお分かりになると思いますが、このように、オルビス クリアフルローションは、正真正銘のハトムギ化粧水なんです。
ナチュリエ
水、DPG、BG、グリセリン、ハトムギエキス、グリチルリチン酸2K、(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル)コポリマー、クエン酸、クエン酸Na、メチルパラベン
麗白
水、グリセリン、DPG、メチルグルセス-10、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン、BG、ヒアルロン酸Na、ハトムギ種子エキス、グリチルリチン酸2K、キサンタンガム、(スチレン/アクリレーツ)コポリマー、PEG-60水添ヒマシ油、クエン酸、クエン酸Na、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン
プラチナレーベル
水、BG、グリセリン、加水分解ローヤルゼリータンパク、ハトムギ種子エキス、(スチレン/アクリレーツ)コポリマー、クエン酸Na、クエン酸、フェノキシエタノール、メチルパラベン
ドンキ
水、グリセリン、DPG、メチルグルセス-10、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン、BG、ヒアルロン酸Na、ハトムギ種子エキス、ローズマリー葉エキス、ラベンダー花エキス、セージ葉エキス、タチジャコウソウ花/葉エキス、カニナバラ果実エキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウサンザシ果実エキス、ビルベリー葉エキス、キュウリ果実エキス、エタノール、キサンタンガム、(スチレン/アクリレーツ)コポリマー、PEG-60水添ヒマシ油、クエン酸、クエン酸Na、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン
シンプル処方のため内容物コストが安い
同じハトムギ化粧水でも、オルビス クリアフルローションと、大容量&低価格のナチュリエ・麗白・プラチナレーベル・ドンキとでは、処方の複雑差が全然違います。
オルビス クリアフルローションは、医薬部外品であり、処方骨格が複雑です。多くの原料を配合しています。
一方、大容量&低価格のハトムギ化粧水は、主要な成分として「水・DPG・BG・グリセリン」が使用されています。これらは、肌に最低限必要な保湿成分であり、余計な添加物や高価な成分を含んでいません。
大容量&低価格のハトムギ化粧水の主要成分である、「水・DPG・BG・グリセリン」ですが、どのくらいの価格だと思いますか?
水は0円。精製水への処理代として別途計算します。
DPG・BG・グリセリンは、使用量やメーカーによって原料価格は異なるので、正確なことは言えませんが、大体、1kgで500円~1,000円くらいです。
例えば、大容量&低価格のハトムギ化粧水に、主要成分の「DPG・BG・グリセリン」が、計20%配合されていたとして、これらを仮に、750円 / kgで計算すると、500gで75円。
つまり、ざっくり計算ではあるものの、500mL / 600円のハトムギ化粧水の中身の原料価格は、わずか、75円なんです。
※実際はもっと安いです。これでも高めに計算しています
ハトムギ化粧水に限らず、化粧水は大部分が「水」なので、中身の原料価格は安いんですね。
「ほぼ水だから、化粧水は必要なし!」という人がいらっしゃるくらいなので。
ただしこれは間違い。化粧水は必要です!これに関しては以下をご覧ください。
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そもそも、「化粧水の中身の原料価格は安い」ということはありますが、大容量&低価格のハトムギ化粧水は、シンプル処方ですから、さらに安くなります。
この、処方のシンプルさによって、内容物の原料価格が圧倒的に抑えられ、ハトムギ化粧水は驚きの低価格で提供できているんです。
ハトムギ化粧水安さの秘密:製造コストの削減
製造コストの削減も、ハトムギ化粧水の低価格を支える重要な要素です。
例えばナチュリエは、大規模な生産ラインを導入しており、一度に大量の製品を効率的に製造することができます。
この大規模生産により、単位当たりの製造コストを大幅に削減しています。
大規模生産とは、製造機のスケールが大きいということ。
例えば、500mLのハトムギ化粧水を10万個製造する場合、必要な中身の量は、500mL×10万個で、最低でも50トンです。
製造機のスケールが500kgだった場合、50トン作るには、最低でも、100回、製造しなければなりません。
一日1回、製造すると仮定した場合、100日かかります。
一方、製造機のスケールが2トンだった場合、25回の製造で済みます。
一日1回 製造で25日。
しかも、ナチュリエは、「混ぜるだけ」で製造が完了するので、製造工程が非常にシンプル。
一日、2回、3回製造は可能でしょう。
つまり、2トンスケールで、一日3回製造すれば、50トンというとんでもない量を、わずか9日で、製造してしまうのです。
同じ50トンという量でも、100日かける場合と、9日で終える場合では、製造コストに雲泥の差がでます。
これが、大量製造スケール&シンプル工程の凄さ!
大量製造スケール&シンプル工程によって、極限まで製造コストを抑え、低価格を実現させているのです。
ハトムギ化粧水安さの秘密:シンプル容器
ハトムギ化粧水の容器は非常にシンプルで実用的なデザインです。
500mL~1000mLの大容量でありながら、片手で開けられるワンタッチキャップを採用しており、使いやすさを重視しています。
容器の素材も軽量で柔らかいため、輸送コストの削減にも寄与しています。
豪華な装飾や複雑なデザインを避けることで、容器の製造コストを大幅に削減しています。
このシンプルで機能的な容器設計が、結果的に製品の低価格を実現!
先ほども述べましたが、化粧品の中身の原料価格って、皆様が思っている以上に安いです。
では、化粧品にとって何が一番高いのか?
容器です!
化粧品の容器は、中身の価格に比べて、びっくりするほど高いです。
ですからシンプル容器は、ハトムギ化粧水の低価格に、ものすごく貢献していると言えるでしょう。
ハトムギ化粧水安さの秘密:流通経路の効率化
流通経路の効率化も、ハトムギ化粧水の低価格を支える要因の一つです。
製品が消費者の手に届くまでの流通プロセスを最適化し、無駄を省くことでコストを削減しています。
例えば、メーカーから直販を行うことで中間業者を省き、物流コストを抑えています。
また、大手ドラッグストアやネット通販を活用することで、広範囲にわたる流通網を確立し、効率的な流通を実現しています。
これにより、ユーザーは手軽に製品を購入することができ、さらに低価格で提供することが可能となっています。
こうした流通の効率化が、ハトムギ化粧水の魅力的な価格設定に大きく貢献しているのです。
おわりに
いかがでしょうか?
ご説明したように、ハトムギ化粧水の驚くべき低価格の秘密は以下です。
- シンプル処方
- 製造コストの低減
- シンプル容器
- 流通経路の効率化
この中でも、最も低価格に貢献しているのが、「シンプル処方」と「製造コストの低減」でしょう。
シンプル処方と製造コスト低減の組み合わせによって、驚くべき低価格を実現しているのが、ハトムギ化粧水なのです。
これは、大変な企業努力のたまものです。
一方で、シンプルゆえに、最低限の保湿効果は得られるものの、それ以上の効果は感じにくい!というのも事実。
そんな時は、以下記事をご覧ください!
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