この記事で分かること
- トナーと化粧水の違い
スキンケアの世界では、トナーと化粧水の違いがしばしば議論の的となりますが、両者には明確な違いがなく、同じアイテムとして認識している方が多いと思います。
私は現役の化粧品開発者です。
大手化粧品メーカーを含め、20年以上のキャリアがあり、有名美容雑誌の監修も多数手がけています。
本物のプロであり、化粧品開発のプロフェッショナルです。
この記事ではそんな私が、トナーと化粧水の基本的な違いを明確にし、それぞれの定義、海外と日本での一般的な使い方を詳しく解説します!
この記事を書いている人
コスメデイン
- 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
- 今も現役の化粧品開発者
- 美容雑誌の監修経験あり
- 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!
美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)
【結論】トナーと化粧水の違い
スキンケアにおいて、トナーと化粧水はしばしば混同されがちですが、実は両者には明確な違いがあります。
この違いを理解することは、自分の肌質に合った適切なスキンケア製品を選ぶ上で非常に重要です!
トナー
トナーは、洗顔後の肌を整えるために使用されるスキンケア用品です。
コットンでの使用が推奨され、肌の古い角質や毛穴に残った汚れ、余分な油分を取り除く効果があります。
海外では、トナーはスキンケアの最初のステップとして用いられており、洗顔後すぐに使用するのが一般的です。
トナーには、肌を引き締める効果があるもの、毛穴の汚れを取り除く効果が高いもの、角質を除去する効果が高いものなど、様々な種類がありますが、最近では、アルコールフリーのトナーも多く、アンチエイジング成分を含む製品も増えています。
化粧水
化粧水は、主に、肌の保湿を目的として使用されます。
洗顔後の肌に水分を与え、乾燥を防ぐことで肌のバリア機能を高める効果があります。
化粧水は、肌を柔らかくし、その後に使用する美容液やクリームの浸透を助ける役割も担っています。
日本のスキンケアでは、洗顔後にまず化粧水を使用し、その後に乳液や美容液を重ねるのが一般的な手順です。
トナーと化粧水の違い
トナーと化粧水の最大の違いは、トナーが「取り除くこと」が目的であるのに対し、化粧水は「与えること」を目的としている点です。
トナーに関しては後ほど詳しくご説明しますが、トナーに配合の成分と、使用法(コットン)により、肌の古い角質や毛穴に残った汚れなどを取り除く効果があります。
ですから、「ピーリング化粧水」や「ふき取り化粧水」は、化粧水と名はついていますが、トナーの要素が強いと言えるでしょう。
一方、化粧水は、コットンでの使用を推奨するメーカーもいますが、基本、手で塗布します。成分的にも、「取り除く」よりも、「うるおいを与える」が多いです。
また、海外と日本という違いもあります。
海外のスキンケアではトナーが基本的なステップとして位置づけられているのに対し、日本では化粧水が基本的なステップとして広く認識されています。
このように、トナーと化粧水は全くの別物であり、目的に合わせて両者を使い分ける必要があるのです。
ポイント
- トナーは、海外では基本的なステップで、コットン使用により、肌の古い角質や毛穴に残った汚れを取り除く
- 化粧水は、日本では基本的なステップで、肌に水分を与え、乾燥を防ぐことで肌のバリア機能を高める
- 「ピーリング化粧水」や「ふき取り化粧水」は、化粧水よりもトナー要素が強い
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トナーの種類と効果
スキンケアにおいてトナーは多様な役割を果たし、肌の状態やニーズに応じて様々な種類が存在します。
特に、角質除去や毛穴ケア、引き締め効果に特化したトナーは、日々のスキンケアにおいて重要な役割を担います。
角質除去や毛穴ケアに特化したトナー
角質除去や毛穴ケアに特化したトナーは、肌の表面に溜まった古い角質や毛穴の汚れを効果的に取り除きます。
これらのトナーには、しばしばグリコール酸やサリチル酸などの成分が含まれており、肌の新陳代謝を促進し、クリアな肌へと導きます。
例えば、グリコール酸を含むトナーは、分子が小さく皮膚の角質層に深く浸透し、余分な角質や毛穴の汚れを効果的に取り除くことができます。
これにより、肌のトーンが均一になり、明るい肌へと導かれます。
また、ニキビやニキビ跡の治療にも効果的であり、肌のターンオーバーを促進し、肌の質感を改善します。
一方で、グリコール酸やサリチル酸は、角質除去効果が強いため、肌刺激の懸念がある成分です。
ですから、使用する際には肌への刺激に注意する必要があり、敏感肌の方や初めて使用する方は、低濃度から始めて肌の反応を見ながら慎重に使用することが推奨されます。
引き締め効果の高いトナー
引き締め効果の高いトナーは、肌のキメを整え、引き締める効果があります。
これらのトナーには、ハマメリス水やアロエベラなどの成分が含まれており、肌に潤いを与えつつ、毛穴を引き締める効果を発揮します。
特に、肌のテカリや毛穴の開きが気になる方には、これらの成分が含まれたトナーがおすすめです。
肌に優しい成分で作られているため、敏感肌の方でも安心して使用することができます。
また、肌の油分と水分のバランスを整えることで、肌の健康を保ち、長時間のメイクも崩れにくくなります。
角質除去や毛穴ケアに特化したトナーは、肌のクリアな状態を保ちたい方に、引き締め効果の高いトナーは、肌のキメを整えたい方に特におすすめです。
自分の肌質や肌の悩みに合わせて適切なトナーを選び、美しい肌を目指しましょう。
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トナーの注意点
トナーは有効なスキンケアアイテムであることは間違いありませんが、いくつかの注意点があります。
ここでは、現役の化粧品開発者の私が、トナー使用時の注意点について詳しくご説明します。
肌刺激への懸念
先ほども少し述べましたが、トナーは有効なスキンケアアイテムであることは間違いありませんが、トナーに含まれるグリコール酸、サリチル酸とも、角質除去効果が強く、肌刺激の懸念がある成分です
角質除去効果はグリコール酸よりもサリチル酸の方が強く、その分、肌刺激の懸念も増します。
ですから、グリコール酸をマイルドピーリングと表現するケースがありますが、あくまでサリチル酸と比較してマイルドなだけであって、グリコール酸も肌刺激の懸念がある成分という事に変わりはありません。
また、コットン使用が基本です。
コットンにより、物理的な力が加わることで、取り除く効果は高まりますが、一方で、物理的な刺激による肌へのダメージも増します。
つまり、トナーは効果は期待できるものの、製品や使い方次第で、肌へ深刻なダメージを与える可能性があるということ。
海外は、「肌刺激」や「安全性」よりも、「効果」に注力しがちなので、トナーが海外で主流のアイテムであることも納得できます。
使用回数
成分にグリコール酸やサリチル酸が配合されているトナーであれば、週に数回に限定し、毎日の使用は避けることをおすすめします。
前述した通り、グリコール酸とサリチル酸には強力な角質除去効果があります。
これらを配合したトナーには、古い角質を除去し、肌の質感を改善する効果が期待できますが、一方で、過剰な使用は逆に肌をダメージに晒す可能性があります。
頻繁に使用すると、肌に必要な保護層まで取り除いてしまい、肌のバリア機能が低下する恐れがあるのです。
また、トナーによる過剰な角質除去は、肌の角質層を薄くし、肌を敏感にする可能性があります。
角質層が薄くなると、肌は外部からの刺激に対して脆弱になり、赤みや炎症、乾燥などの肌トラブルを引き起こしやすくなるため注意が必要です。
化粧水の代わり
「トナーを化粧水代わりに使う」という声をよく耳にしますが、それはやめた方がいいです。
そもそも、トナーと化粧水は使用目的が異なり、だからこそ、配合成分も違います。
トナーに配合されるグリコール酸とサリチル酸を否定するつもりはありませんが、強力な角質除去効果があるため、トナーを化粧水の代わりに毎日使用することはおすすめできません。
トナーは、「使用回数」のところでも述べた通り、週に数回の使用とし、普段は化粧水の使用をおすすめします。
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トナーの選び方と使用方法
私自身、トナーに配合されるグリコール酸とサリチル酸の肌刺激性を問題視しているので、トナー自体をあまりおすすめしません。
一方で、余分な角質を除去することは重要なことなので、トナーの必要性も理解しています。
化粧品には、「ピーリング化粧水」とか「ふき取り化粧水」と呼ばれるものがあります。
これは、日本版トナーみたいなもので、全てとは言いませんが、グリコール酸やサリチル酸は極力配合せず、ふき取るという行為で余分な角質を優しく除去するというアイテムです。
ですから、トナーを選ぶのであれば、グリコール酸・サリチル酸フリーのふき取り化粧水をおすすめします。
グリコール酸・サリチル酸フリーを選ぶ
トナーではなく、ピーリング化粧水やふき取り化粧水にグリコール酸・サリチル酸フリーは多いです。
例えば、資生堂 HAKU アクティブ メラノリリーサーです。
以下、HAKU アクティブ メラノリリーサーの全成分です。
全成分
【有効成分】4-メトキシサリチル酸カリウム塩, グリチルリチン酸ジカリウム
【その他の成分】L-セリン, トリメチルグリシン, 2-O-エチル-L-アスコルビン酸, 精製水, エタノール, ジプロピレングリコール, 濃グリセリン, ポリエチレングリコール1000, トレハロース, カルボキシビニルポリマー, イソステアリン酸, エリスリトール, ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテル, キサンタンガム, 水酸化カリウム, アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体, ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン, エデト酸二ナトリウム, ヒアルロン酸ナトリウム(2), フェノキシエタノール
資生堂HAKUというだけで安心感がありますが、グリコール酸・サリチル酸フリーのふき取り化粧水です。
しかも、4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩)を有効成分とした美白の医薬部外品ですから、これほど高機能なふき取り化粧水はないと思います。
美白有効成分4MSKは、ふき取りによって肌表面を整えた後、より効果的に肌に浸透しやすくなります。
古い角質や汚れが取り除かれることで、肌のキメが整い、化粧水の有効成分が肌の奥深くまで届きやすくなるのです。
これにより、メラニンの生成を抑制し、シミやそばかすの予防に寄与するとともに、全体的な肌の透明感を高める効果が期待できます。
また、ふき取り化粧水としての使用は、肌の表面を滑らかにし、後に続くスキンケア製品の浸透を促進する効果も期待できます。
このように、HAKUアクティブ メラノリリーサーは、ふき取り化粧水としての役割を果たしつつ、美白ケアにも特化した製品であり、肌の透明感を高めるための理想的な選択肢と言えます。
まさに、「取り除くことを重視したトナー」と、「与えることを重視した化粧水」を融合させた、日本版トナーの代表格と言えるでしょう。
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正しいトナーの使用方法と注意点
トナーの効果を最大限に引き出すためには、正しい使用方法を守ることが重要です。
一般的に、トナーは洗顔後の清潔な肌に使用します。
適量のトナーをコットンに取り、肌に優しくなじませることで、肌の古い角質や余分な油分を取り除きます。
直接手に取って肌に塗りつける方法もありますが、コットンを使用することでより均一に肌にトナーを行き渡らせることができます。
ただし、トナーにはピーリング効果を持つものもあるため、毎日の使用により、肌トラブルの原因となることがあります。
先ほども述べた通り、週に数回に限定し、毎日の使用は避けることをおすすめします。
トナーを選ぶ際には、自分の肌質や肌の悩みに合った製品を選び、正しい使用方法を守ることで、肌の健康と美しさを保つことができます。
日本版トナーの「ピーリング化粧水」や「ふき取り化粧水」の使用も、選択肢の一つと言えるでしょう。
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トナーとブースターの違い
スキンケアにおいて、トナーとブースターは異なる役割を果たします。
これらの違いを理解し、適切に使用することで、肌の健康と美しさを最大限に引き出すことができます。
トナーとブースターの役割の違い
トナーは主に、洗顔後の肌を清潔にし、肌のpHバランスを整えるために使用されます。
古い角質や毛穴の汚れを取り除き、肌を整えることで、後に続くスキンケア製品の浸透を助けます。
一方、ブースターは導入美容液とも呼ばれ、肌の浸透力を高めることを目的としています。
ブースターは、化粧水や美容液の成分が肌に浸透しやすくなるように、肌を準備する役割を担います。
つまり、トナーは、余分なものを取り除きお肌を整えるために使われ、ブースターはその後のスキンケア製品の効果を高めるために使われるのです。
トナーとブースターの併用方法
トナーとブースターを併用することで、スキンケアの効果を最大化することができます。
まず、洗顔後にトナーを使用して肌を清潔にし、肌のバランスを整えます。
その後、ブースターを適用して肌の浸透力を高めます。
ブースターの使用後には、通常のスキンケアルーチンに従って、化粧水や美容液、乳液などを順に使用します。
この手順により、各スキンケア製品の成分が肌に効果的に浸透し、より高い効果を得ることができます。
特に、肌の乾燥が気になる方や、エイジングケアを重視する方には、トナーとブースターの併用が推奨されます。
トナーとブースターを正しく理解し、適切に使用することで、肌の健康と美しさを保ちながら、スキンケアの効果を高めることができます。
自分の肌質や肌の悩みに合わせて、これらの製品を選び、効果的に活用しましょう。
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おわりに
いかがでしょうか?
トナーは有効なスキンケアアイテムであることは間違いありませんが、トナーに含まれるグリコール酸、サリチル酸とも、角質除去効果が強く、肌刺激の懸念がある成分です。
ですから、トナー自体がお肌に合わないケースは結構あります。
そのような場合は、トナーの使用を止め、日本版トナーのピーリング化粧水やふき取り化粧水に切り替えるか、化粧水を使用されることを強くおすすめします。
ご自身の肌の状態を見極めながら、これらアイテムを選択してください。
化粧水選びにお悩みであれば、以下の記事、化粧品開発者が選ぶ!技術力抜群の化粧水をどうぞ。
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