- 最近、石油系界面活性剤フリーってよく見るけど、そもそも石油系って何?
- 石油系じゃない界面活性剤って存在するの?
- 石油系界面活性剤って肌に悪いの?
この記事で分かること
- 石油系界面活性剤の見分け方
コスメの表示欄に、パラベンフリーとか、エタノールフリーとか、着色剤フリー等の表現をご覧になったことがあると思いますが、フリー表現の一つに、石油系界面活性剤フリーがあります。
この意味をご存じでしょうか?
この記事では、大手化粧品メーカーで15年以上、今も現役の化粧品開発者として活躍し、さらに大手美容雑誌の監修経験も豊富なプロフェッショナルの私が、石油系界面活性剤とは何か、そして、石油系界面活性剤の見分け方について解説いたします。
この記事を書いている人
コスメデイン
- 大手化粧品メーカーで15年以上化粧品開発を担当
- 今も現役の化粧品開発者
- 美容雑誌の監修経験あり
- 現役の化粧品開発者が業界の最前線で得てきた知見を「コスメの真実」としてお届けします!
美容雑誌の監修に協力させて頂きました(一部抜粋)
【結論】石油系界面活性剤の見分け方
スキンケア製品において、石油系界面活性剤を見分ける方法は2つあります。
- PEGがつく界面活性剤
- ポリソルベートという名称の界面活性剤
ただし、以前はこの方法で、石油系界面活性剤かどうか、100%の確率で判断可能でしたが、現在は違います。
次項以降、詳しくご説明いたします。
結論:石油系界面活性剤の見分け方
- PEGがつく界面活性剤
- ポリソルベートという名称の界面活性剤
- ただし現在は、100%の確率での判断は不可能
石油系界面活性剤とは?
界面活性剤は親水部分と親油部分を持ちます。
親水基、親油基(疎水基)とも言いますが、一般的に界面活性剤は、親水基をもつ成分と、疎水基を持つ成分を合成して作ります。
※ 合成工程を含まない成分もあります
ここでは簡単な説明に留めますので、界面活性剤の詳細は以下記事をご覧ください。
-
あわせて読みたい化粧品の必須成分「界面活性剤」の種類と役割をプロが解説!
化粧品には水と油が配合されています。 しかし、水と油は、決して混じり合うことはありません。この水と油を混じり合わせるのが界面活性剤です。 ですから、化粧品にとって、界面活性剤は欠かせない存在です。 こ ...
続きを見る
コスメ、特にスキンケアには、電荷をもたないノニオン系と言われる界面活性剤が用いられます。
何故なら、ノニオン系界面活性剤は、電荷をもつ界面活性剤に比べて安全性が高く、長時間、肌の上に残るスキンケアには最適だからです。
石油系界面活性剤とは何か?
ノニオン系界面活性剤の一つであるステアリン酸PEG-25を例にとって説明します。
ステアリン酸PEG-25は、古くから用いられるノニオン系界面活性剤です。
これは、ステアリン酸とPEG(ポリエチレングリコール)を合成して作られます。
ステアリン酸が親油部分(親油基)、PEGが親水部分(親水基)になります。
25と言うのは、PEGの重合度(モル数)で、PEGが25個くっついている事を意味しており、PEGは親水基ですから、PEGの数が多ければ多いほど、水の性質が強い界面活性剤になります(専門的にはHLBが高い界面活性剤)。
ここからが本題で、
石油系界面活性剤を語るには、親水基と親油基の由来が重要!
ステアリン酸PEG-25の場合、ステアリン酸の由来は植物です。
私が化粧品業界に入った当時、ステアリン酸などの脂肪酸の由来は動物でした。
しかし、2000年初頭のBSE問題で、化粧品原料の由来は動物から植物に変わりました。
動物由来原料が禁止になったわけではないので、今でも動物由来原料を使うメーカーは存在しますが、何よりもイメージを重要視する化粧品にとって、BSEから派生した動物由来原料を使う事が嫌がられ、植物由来原料に大きく変わっていきました。
ステアリン酸PEG-25の親油基であるステアリン酸は植物由来
続いて、ステアリン酸PEG-25のPEGですが、これは石油由来です。
植物由来のPEGもありますが、コストや供給の問題から、広く普及されていないです。
つまり、植物由来のステアリン酸を用いていても、PEG-25が石油由来のため、ステアリン酸PEG-25は石油系界面活性剤になります。
ポイント
構成成分の全部、及び一部に、石油由来の成分が含まれる界面活性剤を、石油系界面活性剤という
石油系界面活性剤 見分け方の極意!
石油系界面活性剤の見分け方、実は簡単です。
それは、
ポイント
界面活性剤にPEGが含まれているのかどうか
PEGがくっついたモノをPEG系界面活性剤と言いますが、PEG系界面活性剤は、活性剤由来のべたつきがなく、乳化能にも優れ、コストも安いので、大変優秀な成分です。
唯一のデメリットはPEGが石油由来ということだけ。
※ただし、私はこれをデメリットと思っていません。後ほどご説明します
ですから、特に大手メーカーは、石油系界面活性剤フリーにこだわりを持っていませんから、PEG系界面活性剤を多用します。
PEG系界面活性剤の代わりには、グリセリン脂肪酸エステルという、ポリグリセリン系界面活性剤が用いられます。
例えば、ステアリン酸ポリグリセリル-20のようなモノが該当し、これは、グリセリンと脂肪酸をくっつけたモノで、グリセリン・脂肪酸とも、植物由来ですから、非石油系として石油系界面活性剤フリーコスメや、ナチュラル・オーガニック系コスメに配合されます。
原料メーカーの技術進歩によって、ポリグリセリン系界面活性剤も素晴らしいですが、製法上、様々な重合度のモノが混在したり(分子量分布がブロード)、PEG系界面活性剤に比べて、テクスチャー的にべたつきやすく、乳化能も劣ります。
ですから、石油系界面活性剤フリーの縛りがなければ、私を含め多くの化粧品開発者はPEG系界面活性剤を使うでしょう。
さらに、化粧品には、ポリソルベート-20とか、ポリソルベート-60という、ポリソルベート-○○という界面活性剤も使われます。
ポリソルベートは、酸化エチレンを結合させたもの、つまり、PEG系ですから、石油系界面活性剤になります。
ポリソルベートは、先ほどのステアリン酸PEG-25と違い、全成分にPEGは表記されませんから、注意が必要です。
ただし現在は、
注意
植物由来のPEGを用いた界面活性剤も存在する!
ですから、例えばポリソルベート-20やステアリン酸PEG-25の場合、以前であればPEGは石油由来成分なので、間違いなく石油系界面活性剤に該当しますが、現在は、PFGが植物由来の可能性もあり、厳密に言えば、全成分だけでは判断できません。
ただし、先ほども述べたように、植物由来のPEG系界面活性剤は、コストや供給の問題から、まだ広く普及されていないです。
ポイント
PEGが含まれたり、ポリソルベートという名の界面活性剤は石油由来である可能性は高い!
「絶対に石油系界面活性剤を使いたくない!」とお考えのユーザーは、石油系界面活性剤フリーと表記しているのも関わらず、PEGが含まれる界面活性剤が使用されているコスメであれば、PEGの由来をメーカーに問い合わせをした方が良いと思います。
信頼のおけるメーカーであれば、必ず答えてくれます。
石油系界面活性剤は肌に悪い?
石油系界面活性剤フリーという表現が存在するように、どちらかと言えば石油系界面活性剤は負のイメージが強いですが、決して、機能が劣るとか、肌にとって危険と言うわけではありません。
ポイント
石油系界面活性剤は、肌に危険ではなく、安心してお使いいただける成分!
先ほど、PEG系界面活性剤の唯一のデメリットはPEGが石油由来ということだけですが、私自身、これをデメリットと思っていないと申し上げた理由がまさにこれです。
石油系界面活性剤は肌に悪くない!
では何故、石油系界面活性剤フリーという表現が存在し、石油系界面活性剤に負のイメージがついたのか?
それは、一部化粧品メーカーの、無意味なフリー表記の乱用にあります。
コスメは美容理論やコンセプトを考え、それに合わせて、テクスチャーにこだわって作り上げるモノです。
しかし、美容理論やコンセプトメイクは非常に困難で、力のあるメーカーしか出来ることではありません。
力のないメーカーがとる手段がフリー表記の乱用です。
美容理論やコンセプトが作れませんから、〇個のフリーとか、とりあえず、意味のないフリー表記の数に頼るのです。
例えばパラベンフリー。
確かにパラベンは旧表示指定成分ですから、人によってはアレルギーなどの肌トラブルを引き起こす成分です。
しかし、その本質を知らなければ、パラベンフリーは逆に危険になるのです。
詳細は以下記事をご覧ください。
-
あわせて読みたい無添加化粧品 危険!という残念な真実を現役の化粧品開発者が解説
無添加化粧品と聞くと肌に優しく安心・安全と思っている人は多いと思います。 実際、敏感肌系コスメに無添加が多いのは事実です。 しかし ...
続きを見る
石油系界面活性剤フリーというのは、まさに、無意味なフリー表記の典型で、美容理論、コンセプトメイクが出来ないメーカーの、姑息な最終手段と言えるでしょう。
勿論例外もありますが、美容理論、コンセプトメイクを得意とする大手化粧品メーカーのブランドに、石油系界面活性剤フリーと言う表記はあまり見かけません。
ただし現代は、コロナのワクチン接種で、アナフィラキシーの疑いが女性に多いという報告があり、それがコスメに配合されているPEG系原料と言われていました。
PEG系原料とは、まさに石油系界面活性剤のことですから、コスメにおける安全性に問題はありませんが、このような事情からPEG系界面活性剤(石油系界面活性剤)を避ける人もいらっしゃると思います。
そして、ご自身の信念で、石油系界面活性剤を使いたくない!とお考えの人も多数いらっしゃいます。
そのような場合は、石油系界面活性剤フリーコスメをお選びください。
石油系界面活性剤フリーコスメを選ぶ時の最大の注意点
石油系界面活性剤フリーコスメにおける最大の注意点、それは、
半分近くが植物由来だという理由で、例えば先ほどの、ステアリン酸PEG-25のような植物由来+石油由来を、石油系界面活性剤ではないと判断するメーカーが存在すること!
石油由来界面活性剤かどうかの正確なルールは存在しません。
「少しでも植物由来成分を含めば、石油系界面活性剤に該当しない」と、メーカー側が自分たちで決めてしまえば、それは、石油系界面活性剤フリーになってしまうのです。
これは大きな間違い!
植物由来 + 石油由来 = 石油系界面活性剤です!
注意
何を石油系界面活性剤と考えるかはメーカー次第(自社基準)であって、共通且つ明確な基準が存在するわけではない!
次項では、現役の化粧品開発者がおすすめする、正真正銘の石油系界面活性剤フリーコスメをご紹介します。
おすすめの石油系界面活性剤フリーコスメ
石油系界面活性剤フリーコスメでは、PEG系界面活性剤が配合されていないものを選べばいいですが、PEG系界面活性剤を「植物系」と自社判断する悪質メーカーは存在しますし、現在は植物系のPEGも誕生したので、全成分から100%見分けることは困難です。
以下にご紹介する化粧品は、正真正銘の石油系界面活性剤フリーです。
ETVOS アルティモイスト
引用:ETVOS公式
ETVOS アルティモイストは、ETVOS独自の「セラミディアルコンプレックス」を配合したプレエイジング保湿ケアラインです。
セラミディアルコンプレックスとは、5種のヒト型セラミドとナイアシンアミドを独自の配合率で組み合わせた複合物で、皮膚にすばやく浸透し(角層まで)、お肌をうるおいで満たします。
アルティモイストは、「ヒト型セラミド」と「ナイアシンアミド」で、お肌のバリア機能を改善しながら、お肌をうるおいで満たすことにこだわったシリーズですから、特に、敏感肌・乾燥肌の方におすすめです。
石油系界面活性剤フリーを宣伝するコスメの多くは、石油系界面活性剤をフリーにすることがゴールで、その他の技術がお粗末と言わざる得ません。
また、石油系界面活性剤フリーと聞くと、「〇〇を除く、〇〇を配合しない」という、後ろ向きなコスメのイメージが強いですが、独自の成分配合技術を展開するETVOS アルティモイストは、世の中の石油系界面活性剤フリーとは一線を画す存在と言えるでしょう。
是非、真の石油系界面活性剤フリーコスメの実力を、ご自身で体験してみて下さい。
今であれば、アルティモイスト 14日間トライアルセットが、1,490円(税込)で手に入ります!
これは、約4,787円(税込)相当のセットなので、大変お得です。
以下、アルティモイスト 14日間トライアルセット内容です。
アルティモイスト 14日間トライアルセット
- アルティモイスト ローション 30ml
- アルティモイスト セラム 20ml
- アルティモイスト クリーム 5g
- モイストアミノフォーム 20g
- 泡立てネット
これだけのセットが、今だけ、1,490円(税込)です。
定期購入ではありません!
以下の全成分が示すように、石油系界面活性剤は配合されていません!
\ 正真正銘 石油系界面活性剤フリー /
ETVOSは「シャンプー」「トリートメント」も石油系界面活性剤フリーです!
HANAオーガニック
引用:HANAオーガニック公式
石油系界面活性剤フリーは、石油由来成分を極力配合しない、ナチュラル・オーガニック系分野に多いです。
ナチュラルコスメとして有名なHANAオーガニックは、石油由来成分が一切配合されていない、正真正銘の石油系界面活性剤フリーコスメです。
石油系界面活性剤を含む石油系成分は、非常に優秀ですから、これらをフリーにすると品質へ影響します。
具体的には、使っている途中で分離したり、テクスチャーが重く、後肌がべたつく傾向にあったりと、安定性とテクスチャーが悪くなるのです。
しかし、HANAオーガニックは石油系界面活性剤フリーにもかかわらず、通常のコスメ同等の品質ですから、石油系界面活性剤フリーコスメは勿論、ナチュラル・オーガニック系コスメとしても大変優秀です。
しかもHANAオーガニックは、HPで、配合成分すべての「由来」と「原産国」を公開していますから、これは品質に自信がある証拠と言えるでしょう。
だからこそ、1週間のトライアルセットが充実しまくっています。
今だけ、6品もついて、2,970円(税込)。
驚きのセット内容は以下です。
HANAオーガニック 1週間トライアルセット
- ピュアクレイ(洗顔料) 20g
- フローラルドロップ(化粧水) 15mL
- ホワイトジェリー(美容液) 3.5mL
- ムーンナイトミルク(乳液) 8mL
- ウェアルーUV(日焼け止めベース ピンク イエロー) 各3.5mL
PEG系界面活性剤は一切配合されていませんから、正真正銘の石油系界面活性剤フリーコスメです!
特に、石油系界面活性剤フリーで、100%天然オーガニックコスメをお求めの方に、是非おすすめです!
\ 石油系界面活性剤フリー&天然オーガニックコスメ /
おわりに
いかがでしょうか?
石油系界面活性剤の見分け方と、それが肌に及ぼす影響について、現役の化粧品開発者の視点から詳しく解説しました。
石油系界面活性剤は、化粧品において重要な役割を果たしていますが、その成分の由来や肌への影響については、しばしば誤解が生じています。
この記事を通じて、石油系界面活性剤の基本的な知識と、それを含む製品の選び方についての理解を深めていただけたことと思います。
石油系界面活性剤が肌に悪いというわけではなく、多くの場合、安全に使用できる成分です!
しかし、個々の肌質や好みに応じて、石油系界面活性剤フリーコスメを選ぶことも大切です。
この記事が、皆さんが自分に合ったスキンケア製品を選ぶ際の一助となれば幸いです。
※本記事の内容は個人の見解であって効果を保証するものではありません